購買部という仕事

職場、会社内

会社によっては「購買部」ではなくて、「資材部」や「調達部」という組織名の場合もあります。購買ですから、字のごとく、会社で必要な物を購入する部署であり、役割となります。購入するカテゴリーは大きく分けて2つあります。「直接資材」と「間接資材」です。「直接資材」というのは、それぞれの会社の商品に直接関係するもの、原材料や部品や加工品、などを取り扱うことを指し、「関節資材」とは、会社で使うパソコン、デスク、椅子、などを取り扱うことを指します。会社によっては、「関節資材」は管理部や総務部で担当することもあります。

購買部の役割

良い品質である商品を購入する

価格を抑えようとして、品質を下げる手法が存在しますが、一時的なコストダウンができたとしても、長い目でみると、品質をどこまで下げるのかという問題もありますが、あまり品質を下げてしまうと良い結果にならないと考えています。顧客目線にて、製品や商品の品質は非常に大切なもので、会社ブランドに対して『安かろう悪かろう』というブランドイメージでもついてしまうと、これを取り除くために相当な時間と労力を要することになります。

購入価格を抑える

購入価格が低いに越したことはないのですが、上記の様に品質を下げてしまい結局は高いものになってしまう場合もあるので、注意が必要です。一般的ではありますが、数社(3社以上)から見積もりを取り、価格を比較して品質が良く、かつ価格の安いサプライヤーから購入をするというやり方が良いと思います。

また、数量が増した場合の価格ブレイクも交渉することが望ましいと思います。例えば10個~99個は***円、100個~499個は10% down、500個以上は20% downの様なものです。

要求納期の確保

希望納期通りに納品していただく為に、週1回や月1回にサプライヤーとの進捗確認の打合せを実施して、こちらの希望を確保していただくことは重要です。これも一般的ではありますが、事前に購入アイテムの標準リードタイムを知り、お互いが無理のない範囲で発注ができれば良いのですが、発注元の都合で、標準リードタイムより短い納期をお願いしなくてはならない場合もあるかもしれません。

サプライヤー管理

サプライヤーと記述しましたが、取引先、外注、に置き換えても良いかと思います。最近の購買部に配属している人達がどうかは把握していませんが、私がまだ20代、30代の頃は、大手メーカーの購買部の方の中に、「サプライヤー叩き」が仕事? とカン違いしていた方が存在していたと記憶しています。サプライヤーへの敬意は無く、客と外注、という関係があり、要は上下関係状態であり、これでは良好な関係などは構築できるはずがありません。

また、サプライヤーに接待をねだる購買部の方もいて、部品メーカーの営業は大変な仕事だな、などと思っていました。確かに、サプライヤーも仕事欲しさに、接待を前提としたお付き合いをしてしまうのかもしれませんが、接待でつながるビジネスの関係ってどうなんでしょうか。強い絆の様な協力関係が出来れば理想的だと思います。

ダブルソース

購買の数量にもよりますが、サプライヤー1社からのみの購買で、天災、倒産など、その1社が供給不可能になった時のことを考えると、理想的には2社(3社)購買にしておくとリスクを回避することが出来ると思います。但し、所要数が少ない購買品に2社購買は難しいかと思います。その様な場合は、バックアップのサプライヤーを用意しておくと良いと思います。

求められる能力

サプライヤー開拓

ほとんどの場合、担当者が自ら飛び回り、新しいサプライヤーを開拓していることは無いのかな、と思います。目先の発注業務ばかりに注力してしまい、代理店や商社に丸投げして、仕入れ先を探してもらったりしている印象です。この結果、良い品質の品物を安く仕入れることが出来ていない場合が見受けられます。

競争力のあるサプライヤーとお付き合いをすることは、購買部として非常に重要なことと思いますが、やはり人任せでは真に競争力がある取引先かどうかが不確定です。やはりご自身の目で探し、双方が仕事を通して成長しあっていけるパートナーを開拓することが良策かと考えます。

コミュニケーション能力

営業は顧客とのコミュニケーションが必要になりますが、購買は購入先とのコミュニケーションが求められます。通常の発注業務だけではなく、例えば、価格などの交渉ごとや、品質や納期のトラブル時の対応は日頃の良好なコミュニケーションが大切だと思います。

購入側は「安く仕入れたい」と考えていても、販売側は「高く売りたい」と考えていて、なかなか双方の利害が一致しません。こちらの意見を力づくで押し通すことも出来るのかもしれませんが、こういった行為を繰り返していれば、取引先との関係は悪化していく可能性があります。コミュニケーション能力は高度な交渉力に置き換えられるかと考えます。

リサーチ能力

購買担当者は、ご自身が購買を担当しているアイテムの業界のトレンドを把握している必要があります。サプライヤーからの回答が適切なものなのか、業界の常識なのかを知っていれば、取引先にだまされる様なことはありません。言い方を変えると、業界のトレンドに精通している購買担当者は相手からも一目を置かれ、サプライヤーからの提示案は適切なものを出さざるを得ないことになります。

スケジュール管理

現在はERPシステムを使用していることから、ある程度のスケジュール管理はそのシステム内で行うことが出来ます。しかし、担当している購入品の社内でのスケジュールを頭の中でビジブルになっていることが望ましいと言えます。担当アイテムの納品予定日を把握しているかいないかで、トラブル発生時の瞬時なアクションに結びつくはずです。

帳票類の管理

発注書、請求書、納品書、品質合格書、いろいろな帳票を扱うことにます。保管のルール、センターファイル化、部内で各担当者の帳票管理を標準化していないと、過去の帳票が必要になった時など大きなトラブルになります。

最後に

  • 購買部の仕事は会社の中で重要な機能です。購入品の納期、品質、価格の重要な3要素を担うことになります
  • 取引先、社内、コミュニケーション能力が高くないと難しい職場になります
  • サプライヤーを上手く管理することによって、会社にとって最大の武器にもなります。「上手く管理する」とは、業務上、社内でしなくてはいけないことと、社内でしなくて良いことに分け、サプライヤーを上手く使うことで、社内リソースを軽減することができます

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