従業員目線と経営者目線が同じなら理想的かと思います。一致していればお互いの意思疎通に問題が出ません。でも、そもそも立場が違うと目線も違うわけで、これは難しい問題かもしれません。
なぜ考え方が違ってしまうのか?
従業員は受け身の発想が強い
雇われの身である従業員(会社員)は「雇われている」という意識はあると思います。少なくとも「雇われてあげてやる」という考えはないでしょう。但し雇われる場所(会社)、つまり勤務先は1つでなくていくつかあるため比較ができてしまいます。なので給料が安い、労働時間が長い、など他社との比較の結果、不満として現れてしまいやすいと考えられます。
雇われの身という受け身の意識が、雇われ方について他社との比較ができてしまうので、雇われ方(雇用条件)の良いところで雇われたい、と考えるのは自然かと思います。
ある経営側の方が「うちの従業員はまったく会社のことをわかっていない」と一方的な言い方をするのは正しいとは思いません。そもそも考え方の根底が違うからです。
従業員は『今』を見ているが経営者は『未来』を見ている
従業員は毎日担当している業務に集中しているので、今現在を常に見ていることになります。しかし経営者は3年先、5年先、10年先を常に考えていると思うし、会社発展のために新規事業を検討しているかもしれません。経営者は会社の将来が健全であるための施策を常に考えているでしょう。これでは到底目線は一致しません。
従業員の会社の不満は意味を含んでいる場合がある
今を見ている人とそうでない人の思考が一致しないことは、従業員もうすうす感じていて、良くないパターンとして「何を言ってもダメだから」と社内であきらめムードになっている場合かと思います。現場を知っていて、常に今を見ている従業員こそ現場の作業改善や社内のプロセス改善など、知恵を出し合ってより良い職場にしていって欲しいです。
例えば高齢者の従業員は「私のような高齢者を雇っていただきありがたい」と雇い主に感謝の気持ちでいっぱいなところでしょうが、まだ若くて転職が可能なうちは、感謝の気持ちよりは雇われ方に強い興味があり、他社との比較が容易なことから、ついつい会社の不満を口に出してしまう傾向があるかもしれません。しかし、このことはダメ従業員の愚痴ととらえるのではなく、経営者に対するひとつの警告ととらえても良いと考えます。
経営側からの従業員への説明
現状の経営状態
経営側は全従業員に対して、現状の経営状態を簡単で良いので説明できれば理想です。但しネガティブな情報では従業員も嫌になってしまいますので、ポジティブな話をしてあげていただきたいです。もしポジティブな話が出来ないようであれば、その会社の存続が危ないでしょうし、経営者として失格と思います。
会社の将来像
将来の計画を説明していただけたら良いと思います。この会社をどの様なかたちで将来に向かっていくのかというビジョンです。なので皆さんの協力をいただきたい、の様な説明で良いと思います。
従業員とのコミュニケーション
従業員から経営側にコミュニケーションは取りづらいでしょうから、経営側から積極的にコミュニケーションを取っていただきたいと思います。経営側が何を考えているのかを知ってもらうだけで双方の関係は良好なものになるかと思います。
最後に
- 従業員と経営側は見ているものが違う。従業員は「今」を、経営側は「未来」を見ている
- 従業員と経営側の隔たりが少ない方が良いに決まっている。経営側の積極的なコミュニケーションが望ましい
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