これは私の実話になります。27歳のときに転職した3社目の会社でのことで、外資系企業の部品メーカーでの話になります。私は品質保証部に配属されました。今回ここで言う上司とは、品質保証部の部門長である部長になります。
有能な上司について
はじめに、思いつく有能な上司の特徴をいくつか書きだしてみます。
- リーダーシップがとれる
- 問題解決能力がある
- 部内のマネジメントができる
- 部下から尊敬されている
- 上司の上司から信頼されていて頼られている
- 判断力がある
などが思いついた特徴です。部下としては有能な上司の下につくことは望ましいことなのですが、自分自身が成長するという観点から考えると、有能な上司の下で働くことが理想かと言うと、必ずしもそうでないところがあるかもしれません。
ちなみに、私は無能と思われる上司のおかげで成長できた会社員です。しかし、当時は無能と思っていたのですが、今思うと、部下を育てることのできる有能な上司だったのかもしれません (笑)
本当に見ていられないほどダメでした
仕事は部下に丸投げ
仕事は部門長の受領印を押して、あとは部下に丸投げ。特にコメントは無く「よろしく」のひとことだけありました。
例えば製品のクレームが発生し、営業から電話にて第一報がその部長に入るとします。部長はその電話を担当している課に回して終わり。「あとよろしく」のひとこと。
いろいろな報告書が部長の机の上の承認待ちレターケースで溜まっています。そこから書類を取り出しめくら判で承認。ハンコを押すのが仕事。。。。
私はいつも「ああはなりたくない」と思っていました。私の反面教師です。
「あなたはどう思う?」が口癖
はじめのころ、何回か課題について相談に行ったことがありました。でも行くたびに「あなたはどう思う?」と言ってくるので、私はどの様に考え、こうすることで解決すると思います、とこちらの考えを言うと「それでいいんじゃない」と返答。それから相談に行くことは一切なくなりました。
お陰様で、何でも自分で考えて結論を出す癖がつきました。仕事を最後まであきらめずに自分自身でやり抜く姿勢がつきました。そしてそれらが自信につながりました。
人に資料をつくらせる
私よりも10歳以上年が上だったので、パソコンが得意でなかったようです。なのでプレゼンの資料準備はいつも私が担当でした。私のプレゼンのスキルは磨かれました (笑)
資料を人につくらせるので、ご自身が良く理解できていない部分があったりして、そういった場合は私が補足説明をしていたので、私自身の社内での認知度は上がりました (笑)
社長からの信頼は無し
社長から直接指示が私の上司にあった場合、私を呼びつけ、いつもの「あとよろしく」となります。例えば『~を基に新しい品質体系を構築せよ』という指示だったとします。大掛かりなプロジェクトですから、この場合も私の方で組織上私より格上の他部門の方達との打ち合わせの場を設けたりして、最終的な提案書を作成して上司に報告をしました。
私の上司は私の作成した提案書をそのまま社長に報告するのですが、全てを理解している状態でないので社長からの質問に応じることができず、いつも社長に怒られているのを間接的に聞いて知っていました。
おそらく、社長もこういう資料づくりや社内の段取りを私が行っていることを知ったのか、ある時から私に直接指示がくるようになりました。
上司が何もしないので、社内の部門長クラス、工場長クラスの方達とご一緒し、私の存在を認知していただきました。また、社長からも直接指示をいただき、社長にも私の存在を認知していただいたことになります。そのおかげで、社内組織を横断するような大きな仕事がやりやすくなりました。
上司がいなくても社内調整が出来る様になり自信がつきました。
最後に
私はその上司の下、下記の様に成長しました
- 「ああはなりたくない」と思う気持ちが私の成長を促進させてくれた
- 何でも自分で考える癖がついた
- 仕事を最後までやり切る姿勢がついた
- 上司がいなくても社内調整が出来る様になり自信になった
コメント