ある人が「今の会社が嫌で仕方がないので転職をする」、ある人が「どうしても志したいことがあるが今の会社では実現できないので転職をする」とふたつ理由があったらどう思いますか?
正直、私は両方とも理解できるのですが、やはり後者の方の理由が前向きだし次の転職の目的が明確ですよね。前者の方は今の会社でなければどこでもいい、という匂いが強いです。次の会社がこの方にとって良き会社であることを願うばかりです。
今回は、私が今まで関係した中途採用の応募者の方達の「えっ?」についての話しになります。私は人事業務経験はありませんが、管理職として中途採用時の書類選考、面接とかかわってまいりました。
採用側が「えっ?」 っと思うとき
私の今までの勤務した会社は、中途採用時は必ず人材紹介会社を利用しました。ですので人材紹介会社で我々の候補者への希望(どのような経験が望ましい、どのようなスキルが必要など)を事前に打合せしますので極端に畑違いの方が候補者として紹介されることはありませんでした。それでも “えっ?” っと思うことがいくつかありました。
いろいろな生き方があるし考え方だってあり、なるほどと思ったものです。私自身も候補者の方達からいろいろと学ばさせていただいたと思います。
有名大手日本企業社員が応募してくる
有名大手日本企業の方が応募してくることが何度かあって、そのような立派な会社をなんで辞めようとしているか不思議でした。勤めたことのない私が言うのも変ですが、やはりそこで働いてみないとわからないことが多いようです。
私のところに応募いただいた方達は、総合職として入社したものの、部署移動や転勤などでなかなか思うようなキャリア形成ができない旨の理由が多かったと記憶しています。彼らはゼネラリストを目指しているのではなくスペシャリスト志向の方達でした。
数社を短期間に退職している場合
1社なら何とか理解しますが、2社、3社と短期間(数ヵ月)で変わっている候補者の方がいました。理由はいろいろあったようですが、まあ、世の中ひどい会社が多く存在するんだな、というのが私の感想です。でもある部分すごいですよね。1年に2回も転職できてしまうって才能かもしれません。
確かに、採用側からすれば「うちにきてもすぐ辞めてしまう」と思うのは当然です。また、いくらその会社が悪いと言ったところで「その会社を選択したのはあなたです」と言われても仕方がありません。社会人を何年もやっているにもかかわらず、そういった悪い会社に入社してしまうのはどうしたものかと。しかしそうは言うものの、巧みに面接時にだまされて入社させられたのかもしれませんし、全てそういった方達が悪いのかというとそうではないと思っています。
ですので、面接時には、なぜ不本意な転職をしてしまったのか、何が原因だったと思うか、今までの転職における失敗から何を学んだのか、などを質問させていただき、納得のいく回答であれば内定を出しました。
有名大学を卒業して転職を繰り返している
やはり有名大学を卒業しているのでどこでも採用されやすいのか、それにしても大体一つの会社に長くて3年くらい、40歳で6社から7社程度の経験。パターンがふたつあって、ひとつは一貫性のあるキャリアを踏んでこれらた方、もうひとつは支離滅裂なキャリアの方、違う業界、違う職種、中途半端感がいっぱいな感じです。一貫性のある場合は問題ありません。
はじめての転職という候補者
ある日本企業に新卒で入社し、20年以上勤務後、はじめての転職で応募してこられた方がいました。採用側もこの様な候補者に対して「当社会社カルチャーに馴染んでくれるだろうか」とまず思うでしょう。それともうひとつの懸念は今までの会社しか知らないので「今までのやり方を当社に入社後もひきずってしまわないか」と考えてしまうと思います。
転職について上手く表現ができませんが、ある部分転職慣れしている候補者の方が採用しやすい場合があります。何度か転職をして、何社かの経験があり、失敗も含め過去の転職についての分析がよくできていて、それで御社でこういうことで貢献したい、という説明はこちらも妙に納得してしまうものです。
過去に転職の失敗もあったかもしれませんが、一番大切なことは、冷静に自己分析ができていて今回の転職は必ず成功させるという意気込みが感じられれば、採用側も安心するものです。
現職の年収より低い年収の募集に応募してくる
例えば50代の方だったら、年収が下がっても職の確保優先というのはわかりますが、まだ若い方で年収を下げてまでという方がいました。それだけ早く転職を決めたかった、または別の強い意志が背景があったのかと思います。
私事ではありますが、私と違う考えの応募者の方、私が「えっ?」と思う場合でも、こちらを納得させてくれる説明をいただければ基本的にOKです。ですので、年収が下がる条件でも入社を希望していただけた候補者には、内定を出す場合、もともとの予算をオーバーしてしまいますが、年収を同程度に調整したことは何度かあります。
全ての候補者の転職理由は覚えていませんが、どうしても外資系企業で仕事がしたくて年収ダウンでも応募してこられた方のことは覚えています。
終わりに
- 転職でいちばん大切なことは、今までの転職によって何が達成できたのかを自己評価できていることかと考えます
- 今までの転職を冷静に自己分析できていると次の転職も良い方向にいく可能性が高いです
- はじめての転職がどういった結果を導いたかで以後の会社員人生に大きく影響します。はじめての転職は慎重になさって下さい
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