一流企業からの転職

転職

表題に「一流企業」と書きましたが、ここで言う一流企業とは(1)入社難易度が高い、(2)経営状態が優良である、(3)日本企業、という企業であって、上場企業や大手企業というくくりではありません。また外資系企業は含みません。

はじめに一流企業は上場企業や大手企業というくくりではない、と記述しましたが、多くの場合、結果的に上場企業で、大手企業ということになってしまいます。しかし改めて触れますが、上場企業や大手企業であっても、実は経営状態が良くない会社が多く存在しています。ですから、上場企業や大手企業だからといって一流企業とは限らないという考えになります。

誰もがうらやましく思う一流企業に勤務する社員が転職をするとなると、面接をする側は「うちの会社に来てくれるのか」、「来ていただいてもすぐに辞めないか」、「何でその様な一流企業を辞めるのだろうか? 何か悪いことでもしたのだろうか?」などと考えてしまうのではないでしょうか。

今回は、一流企業の社員故、転職が大変だという私が見てきた過去の経験と、それぞれのパターンの転職の注意点を記述してみたいと思います。

一流企業に関する勝手な想像

一流企業のイメージ

日本の一流企業に勤務していない我々は、一流企業への勝手なイメージをもってしまっています。一流企業だから、全てが一流なのだろう、と思っています。仕事のプロセスがスマート、会社の設備が最先端、従業員が高学歴、給料水準が高い、福利厚生が充実、など。全てが一流だから好循環となり、一流が一流を生むようなうらやましいイメージだけです。それぞれの従業員も不満という不満は無く、あったとしても一般企業のそれとはレベルが違うものだと考えています。

一流企業の社員に対する一方的なイメージ

但し、社員の質はふたつに分かれると感じています。仕事のできる人と、そうでない人です。一流企業は従業員数も多いことと、従業員の採用を毎年していると思うので、ある程度の年功序列制は存在していると考えています。ある意味上がつかえているので、若いうちの出世はありません。よって社員数が多いということもありますが、多少サボっていても昇給はしますし、ある程度の年齢になればそれなりのポジションに就くことが出来たりします。言い方を変えると、若いうちに仕事を真面目にこなしてきた人と、やってこなかった人に分かれてしまって、優秀な人とそうでない人が存在するという勝手なイメージがあります。そして一流企業の優秀な人はめちゃくちゃ優秀です。

一流企業の社員の転職について

応募してきた一流企業に勤務している候補者を拝見し、「えっ、何で辞めるんだろう?」とまずは思われてしまうと思います。これは一流企業に勤務していない人が思う勝手な妄想のひとつです。一流企業だから不満などないはずだ、と思われてしまっているのだと思います。

一流企業から一流企業への転職

これは十分アリだと思います。例えば、業界を変えてキャリアを積みたい、現職がB to Bで、B to Cの職種にしたい、など、きちんとしたご自身のキャリア像に合せての転職は問題ありません。

一流企業から大手企業、上場企業への転職

このケースも前記同様、転職理由や目的がきちんとした内容なら問題ないと思います。また、先にも触れましたが、『上場企業や大手企業であっても、実は経営状態が良くない会社が多く存在しています』ので事前に確認しておいた方が良いと思います。

一流企業から中小企業への転職

このケースは少し大変かもしれません。まずは採用する中小企業側が、「何でその様な一流企業に勤務しているのに当社に応募してくるのか」という疑念を持つと考えます。少なくとも私は絶対にそう思います。例えば、その中小企業が『世界で唯一』の様な特別なノウハウや製品を開発している場合、どうしても御社で働きたい、という希望は問題ないと思いますが、その様な中小企業はほとんど存在しません。

私なら、どの様に見てしまうかというと、

  • うちの様な中小企業を受けてくるということは、大手企業、上場企業がすべてダメで職を得るために応募してきているのだろうか
  • うちの様な中小企業までレベルを落としてまで職を得ようとするのは、今の会社に居られなくなっている何かの理由があるのだろうか
  • 会社内の仕事の仕組みや、設備、福利厚生など、一流企業の職場環境とかなり差異があり、来てもらってもすぐに嫌になって辞めてしまうだろう。優秀な人に来てもらいたいのは事実だが、同時に長く勤めてもらいたいのが本音である

結局はネガティブなイメージを持ってしまうことになり、よほどのケースを除いて採用をすることはないかと思います。その様な候補者の方がどの様な期待感を持って中小企業に応募しているのか定かではありませんが、こちらが応募者の期待を裏切ってしまうことへの恐怖感が先に感じてしまうかもしれません。

一流企業からベンチャー企業への転職

そのベンチャー企業と応募者のチャレンジ精神の方向性が一致する様な場合は大丈夫かと思います。現職ではありえない追求型の企業であれば尚良いかもしれません。ベンチャー企業ですから、一流企業にないチャレンジがしたいことをアピールすると良いと思います。但し、立ち上げ間もないベンチャー企業は資金不足等のリスクがあります。安易な転職だけは注意して下さい。

一流企業から外資系企業への転職

このケースも基本的には問題ないかと思います。但し、外資系企業なので会社カルチャーがかなり違ったりする場合があるので事前に確認が出来れば理想的です。仕事の進め方や、決定のプロセスなど、日本企業と違う点が多いかもしれません。また、日本に根づいて長い外資系企業ですと「大手企業、上場企業のパターン」と「中小企業のパターン」も想定できます。

最後に

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