転職活動を開始したはいいけど、現職との兼ね合いでなかなか上手く物ごとが運ばないことがあります。個人的には、トラブルを少しでも減らそうとしたら、転職エージェントを利用した方が良いかと思います。企業と求職者の間に入り、色々と調整をしてくれます。企業と個人が直接交渉するのはそういったリスクが増すと考えた方が良いと思います。今回は、想定できるトラブルを列挙し事前に対応策を検討しておくことで予防的な行動が速やかにとれると思い記述しました。
転職活動初期
転職によってどの様な仕事に携わりたいのかわからなくなってきた
これは漠然と転職活動を開始してしまった方に多い状況ではないでしょうか。例えば、同僚のAさんが転職してしまったとか、学生時代の友人のBさんが転職したとか。じゃあ自分も転職しよう、みたいなノリでスタートしたのは良いのですが、転職の目的が明確でないために、ご自身が転職に何を求めているのか分からなくなってしまった状況です。
もう一度、ご自身で転職の必要性を考え直す必要があると思います。この様な状態で転職活動をしても良い結果にならないだけでなく、現職にも悪影響が出て良いことは何ひとつないと考えます。
転職活動を開始するにあたり、なぜ転職を考えているのか、転職によって何を達成したいのかなど、目的とゴールが明確になっていない状態は非常に危険です。転職は無理してするものではありません。
転職活動の期間はどのくらいに設定すると良いのか
これは人によっていろいろかと思います。今の会社が嫌で早く去りたいので即転職をしたいという人もいるだろうし、会社が倒産した、リストラにあったという場合も即転職を希望するでしょう。
また「理想の職場に出会うまで」という人にとっては、これはタイミングの問題もあるので、すぐに決まる場合もあれば、場合によっては1年とか2年とかかかる場合もあると思います。
以前、転職エージェントの方とお話をさせていただいた際、目安として6カ月程度と聞いたことがあります。なんとなくわかる数字かな、と思った記憶があります。エージェントの方は転職に関するプロの方で、一方で転職を成就させることによって相手企業から手数料をいただき、これが売上げ(収入)となるわけですが、転職エージェントサイトに経歴等を入力して登録したものの、長期間転職が決まっていない方達をどう見ているのでしょうか。
転職を希望しているにもかかわらず、長期間決まらない方を(1)どこからもお断りされている可能性がある(2)どこからも声がかからない可能性がある(3)転職先に対する条件が厳しく、又はわがままな要求が多く、転職する気が本当にあるのかどうか、という見方をしているのではないでしょうか。理由は、前途の様に候補者の方を転職させて収益をあげているわけですから、登録者(転職希望者)は商品なわけです。商品として魅力的なのは始めの6ヵ月が目安ということだと思います。
転職活動進行中
在職中の社内で転職活動がばれないように苦労する
例えば現職が普段スーツを着ていないで出社している場合、その日の夜に面接があり、スーツで出社すると絶対に周りから「どうしたの?」と言われたりします。私も類似のケースだったのですが、私は面接の日は有給休暇をとりました。また、この様な服装の問題がなかったとしても、出社してしまい定時で退社の予定をしていたとしても、面接に向かうために退社の準備をしているところに上司からお呼びがかかっても困ります。なので、可能であれば有給休暇をとってしまう方が面倒くさいしがらみから解放されて気持ちよく面接に臨めるのではないでしょうか。
同僚や同期、とにかく社内の人間に転職活動がばれないようにするために、現職の社内などで応募書類などの準備はNGです。できればエージェント等との電話などもオフィスから出て会話すると良いと思いますが、あまりその様な席を外す行為が多いと周りから怪しまれたりしますから要注意です。
面接の日程調整に苦労する
現職が多忙期だったりするとなかなか会社を休んだりできません。だからといって病欠が最後の手段ですが、病欠を何回も使うこともできませんので、こういった場合の日程調整は大変かと思います。以前聞いたことがあるのですが、休みづらい職場で働いていた方が、在職中に転職活動が困難と、結局退職して転職活動をした、というのを聞いたことがあります。何というか気の毒な気持ちになります。
また転職エージェントに上手くお願いをして、先方との面接時間を調整していただくことは現実的です。これはエージェントを通してする転職活動の強みになります。
もうひとつ注意することがあります。現職中の転職活動で、現職の会社に『退職届』を提出するのは、必ず応募企業から書面で内定通知書がでてからにして下さい。採用に関して、口頭約束などというものは存在しません。書面が出るまでは正式ではないと考えて下さい。
自分の希望する条件の求人がなかなか見つからない
これは困ります。転職の目的がはっきりしていて、転職活動を開始したにもかかわらず、希望する求人がないということになります。わがままな要求(高い年収、高いポジション、自宅から30分以内の通勤、福利厚生が良い、等)をしていたら仕方がない場合もあります。
また、非常に特殊な職種であったりする場合は、簡単に求人が見つからない場合も考えられます。ひとつは登録するエージェントを増やすことも必要かもしれません。転職を希望する会社のホームページの求人情報も定期的にチェックすることをお勧めします。
転職に対するご自身の希望条件を書き出し、優先順位をつけて改めて求人の確認をしてみるのはいかがでしょうか。全て同じ優先順位が原因して見つからない場合もあるかと思います。
不採用が続き不安である
そもそも確率的に採用通知より不採用通知の方が多いはずです。理由は簡単です。例えばあるポジションの募集があり、1名の採用とします。採用側企業としては1名の募集に対して数名の候補者と面接をしているはずです。よって採用側企業は不採用通知が採用通知を上回ることになります。
昔から会社の採用に対して「お見合い」と表現されてきました。これは相性が多く関係していて、いわゆるスキルや経験、能力だけではない部分があり、これについては採用企業側のコントロール下になり、こちらでは何もできない領域です。書類選考は主に「スキルや経験、能力」を確認して、面接では主に「相性」を確認しているのかと考えています。
不採用通知は応募者を否定している様な印象を持ちますが、実際はそういうことは全くありません。応募すればするほど不採用通知を受け取ることになりますが、あまり気にせず淡々と転職活動を続けていくしかありません。落ち込むことによって悪いオーラが体から出たりすると、面接などで良い印象が得られず、さらに悪い方向に向かってしまいます。
ひとつ考えられるのは、ご自身のスキルや経験に合っていない求人に応募している場合も考えられます。この様な場合は、転職エージェントのプロの目で見ていただくことも検討して良いかと思います。
本当に転職して良いのか迷いだした
私個人の意見ですが、転職活動中に転職に対する迷いが出てきた場合、その転職活動はいったん休止するべきだと思います。転職には強い目的意識が必要です。例えば現在の職場がそこまで嫌ではない場合など、無理して転職をする必要は全くありません。転職というものは、今の会社や職場での不足分をこれによって補うことができるという解決策のひとつです。
内定後
内定通知は受け取ったがその会社で上手くやっていけるか不安である
気持ちは理解できます。必死に転職活動をしてきてようやく内定通知書を手にし、安心したと同時におとずれる不安です。もういちど転職活動前に考えた目的に戻ってみて下さい。今回内定通知書が出た会社に転職することによって目的は達成できるのでしょうか。出来るのなら転職して良いと思います。
まだ不明な点があるのでしたら、その会社に問合せして下さい。場合によっては再度面談を依頼しても良いと思います。それでも不安なら辞退しても仕方ないと思います。
もちろん転職すれば今までと違う会社であり、今までと違う同僚や上司になります。ですから全く同じカルチャーということはありません。多少の違いはあるはずです。ですが、この転職によって目的が達成できるのであれば、あまり不安がるのも良くないかと思います。希望や期待をもって前向きに考えてみたら良いと思います。
最後に
- 転職をすべきでない方の特徴というと「転職の目的が明確でない」、「転職に夢や理想ばかり追い求めている」、「求人の求めている人物像が理解できない」になるでしょうか
- 転職すること自体は悪いことではありませんが、若い時に安易に転職を繰り返し(転職の失敗を繰り返し)、中年以降転職回数が多すぎて転職ができなくなることが想定できますので慎重にして下さい
- 転職はご自身の抱えている現職での問題を解決するひとつの手段であることを忘れてはいけません
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